[Institute for Research in Humanities. Kyoto University]
京都大學人文科學研究所夏期公開講座
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平成16年7月2日(金)−3日(土)
聴講無料・申し込み不要

■7月2日(金)13:00〜
記憶を造形する命日 ―ベンジャミン・ディズレイリとプリムローズ―

 イギリスの元首相ベンジャミン・ディズレイリの命日(4月19日)はプリムローズ・デイと呼ばれ、ディズレイリ像をこの花で飾りつける慣習は今日までつづいている。プリムローズ・デイの慣習の成立・変容過程を追うことを通じて、プリムローズに結びつけられたディズレイリの記憶が命日においていかに語られ、歴史的にどのような意味をもったのかを明らかにしたい。

フェンスの中の記念と祈念 ―米陸軍生誕舞踏会―

米陸軍は、毎年6月に陸軍創設を記念する式典を各地の基地で開催している。この式典は正式にはU.S. Army Birthday Ball(米陸軍誕生舞踏会)という。しかし、これはたんなる誕生日パーティではない。なぜなら式典の前半では戦場で行方不明になった兵士たちを追悼するからである。本発表では軍隊にとっての記念と祈念の意味を考えたい。

■7月3日(土)13:00〜
中国の祭日と死者を巡る物語り
1月15日紫姑、3月3日三人の娘、5月5日屈原…古代中国において、数字の並びの美しい日は祭日であると同時に死者の命日でもあった。死者はその日に死んだわけではないだろう。忘却されないために命日と祭日とが結びつけられた。また祭りにおいて祓禊を行う理由として、死者の物語りが求められた。死者への恐怖、鎮魂、また自身の祓禊、幸福の祈念、様々な感情が祭日の周りを取り巻き、錯綜しているさまについて述べてみたい。

思い出せない苦悩 −中国共産党の記念日―

中国共産党にとって最も大事な記念日、それは党の創立記念日である。ただ、7月1日という創立記念日は、党の第1回大会に参加した毛沢東らが1921年のその大会の日付をハッキリと思い出せず、また信頼できる資料もなかったため、1938年に便宜的に1日に設定されたものだった。1949年以降、党の創立記念日を確定しようとする動きが強まり、ここに第1回大会の参加者たちの苦悩が始まった。何とかして、その日付を思い出さねばならなくなったのである。

会場  京都大学人文科学研究所本館 2階大会議室

京都市左京区吉田牛ノ宮町 バス停:京大正門前
問い合わせ先 総務掛 TEL:075-753-6902 EMAIL:

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