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報告書 | 紀要 | 所報 | (第四七号 2000) |
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横山俊夫 | 大浦康介 | 宇城輝人 | 江田憲治 | 真下裕之 |
人文科学研究所所報「人文」第四七号 2000年3月31日発行 | |
共同研究の話題 |
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無言をめぐって |
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横山 俊夫 |
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西暦紀元二千三十年代。人類は自分でつくった強大な力の制御に悪戦苦闘。自滅だけは避けたい,と。そして,からくも二千四十年代をむかえ,煉獄をくぐりぬけたことよと胸をなでおろすのもつかのま,世はすでに無数のタブーでしばられ,対話もせんかたなしの閉塞安定―― この筋書きは変わりうるのか。それは,人間が自分たちを宇宙のどこに位置づけなおすか,そしてその大きな新秩序を,力ある言葉で語りだせるかどうかにかかっている。 専門家以外には意味不通の記号がインターネットでとびかう現代の様相は,すでに問答無用の無言社会を思わせる。しかしおなじ無言といっても,大型類人猿には,まなざしとしぐさによる秩序の確認と自制ということがある。それは数百万年以上まえに枝分かれしたはずの各種ともにみとめられ,人類も等しくわかちもつはずという。 |
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昨春,現代社会の言葉のうつろいに関心をよせる各氏を募り当班(「安定社会と言語」班)が発足。本学内外から動物学や生態学,芸能や科学表現の研究家も加わっていただいた。明るい安定社会は可能か。それをささえる媒体としての言語のありようはいかに。この二つの問いをかかげ,事例研究をかさねている。 各回の報告のまえに『色道大鏡』を右のような関心から輪読。著者藤本箕山は十七世紀日本の遊郭という非武装閉鎖空間の人間模様を二十八品にわけた。我執者がかたる偽りの諸相と,それを無言でうけとめ,郭の安定と賑わいをはかる達人とのとりあわせがおもしろい。 この活動は,一九九九年三月の人文研七〇周年記念国際シンポジウム「人文学の新時代」を直接の契機とし,九七年秋から一年間行った試行的共同研究「言語力の諸相」をひきつぐかたちで始まった。なお背景には,一九八九年から九九年にかけての,京都ゼミナールハウス主催の京都国際セミナー「安定社会の総合研究」があることを,関係各位への謝意とともに付記しておきたい。 |
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ポルノグラフィー研究 | 大浦 康介 |
宴の後,言葉の森 | 宇城 輝人 |
中国共産党史の今日 | 江田 憲治 |
「訳経僧伝」研究班のこと | 真下 裕之 |